東海カプセル株式会社
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ソフトカプセル開発マニュアル
2.剤皮
ゼラチン ゼラチンはアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンが一般的に用いられるが、内容物の性質により剤皮が不溶化を起こす恐れのあるものには、コハク化ゼラチンを使用する事がある。
可塑剤 カプセルに弾力性を与え、割れを防止する為に使用される。
濃グリセリン、D−ソルビトールが主に用いられる。
防腐剤 エチルパラベン、プロピルパラベンが主に用いられる。
酸化チタン 薬物が光に不安定なものである場合、酸化チタンで遮光することができる。
色素 色素を使用することにより容易に着色でき、カプセルを識別しやすくする。あるいは外観上の美しさを出す事ができる。
結晶セルロース(アビセル) 結晶セルロースを配合することによりカプセル同士及び容器への付着を防ぐことができ、また、崩壊遅延防止にも効果がある。
剤皮水分 剤皮水分は、7〜9%程度まで乾燥する。
通常、剤皮水分値が低くなるとカプセルは割れ易くなり、吸湿して水分値が高くなると付着等の問題が生じる。
コーティング エンテリックコーティングすることにより、腸溶性製剤も可能である。
3.内容物
1 薬物が元々油状であるもの。
2 油状薬物を油性基剤で希釈したもの。
3 油溶性薬物を油性基剤に溶解したもの。
4 水溶性薬物を水性基剤(マクロゴール400)に溶解したもの。
5 薬物を基剤油に懸濁化させたもの。
薬物
1 剤皮の高いガスバリアー性による薬物の酸化安定性。
2 剤皮を酸化チタンで遮光することにより、薬物の光安定性。
3 アルファカルシドール等の微量活性物質をμgオーダーで均一な充填が可能。
4 低融点物質で錠剤化できないものでも、油状のものを充填するソフトカプセルでは融解しても全く問題ない。
5 薬物を油状または懸濁液とすることで高いバイオアベイラビリティーが得られる。
6 臭気のある薬物や揮発製薬物の製剤化。
7 製造工程の単純化によるコストダウン、高い充填精度による品質の向上。
油性基剤
トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、サフラワー油、小麦胚芽油等の植物油、最近では、中鎖脂肪酸トリグリセリドも多く用いられる。
基剤油の選定は特に医療用医薬品においては、薬物との安定性等、種々検討された上で決められている。
水性基剤
水性基剤としてはマクロゴール400がある。薬物が水溶性の場合、水等で溶解してからマクロゴール400と混和する。又はマクロゴール400に直接溶解させる。ただし、使用する水等の量が多すぎるとカプセル充填後問題が生じる。
また、水性基剤の時には、乾燥工程が通常のものと異なる。
懸濁液
薬物が、基剤油に溶解するとき液は澄明となるが、薬物が基剤油に溶解しない、あるいは溶解しても基剤油を多く要し、カプセルサイズが大きくなる時には、懸濁液タイプとする。
懸濁化する際は、油性基剤には懸濁化剤としてサラシミツロウや界面活性剤が用いられ、マクロゴール400が基剤の時には、マクロゴール4000、マクロゴール6000が用いられる。
界面活性剤
界面活性剤は、懸濁化剤の他、薬物の溶解補助剤、安定化剤等に用いられ、さらには薬物の溶出性や、吸排等にも影響を及ぼすものとして内容物の製剤設計上、非常に重要なファクターである。
ポリソルベート、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油等が主に用いられる。
充填適正
粘度(流動性)
澄明液タイプ・・・・・・2000mm2/s以下(動粘度)
懸濁液タイプ・・・・・・30000mpa・s以下
  懸濁粒子
 
粒子サイズ…粉末原料で100メッシュパスしたものが望ましい。
  充填量の許容範囲
 
実績は50mgから2000mgであるが、金型サイズを検討すればその前後でも可能。
4.試作
試作は数kgの小スケールのものから、治験薬製造まで工業化研究所にて対応可能。
試作にて、剤皮溶液調製、原液調製、カプセル充填の作業手順の確認、重要工程のデータ取り等を行います。
原薬をご提供していただければ、ソフトカプセル化しやすい処方設計を致します。
5.安定性試験

ビン詰め包装、またはPTP・ピロー包装の最終包装形態とした後、安定性試験を実施致します。
安定性試験、溶出試験の受託も実施致します。

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